書評

ゲームの極意が武術の秘伝 真仙明

この本は引きこもりのゲームオタクが武術の極意を体得したというもの。
書名から連想される通りのものなのか、極意を習得できるのかどうかを解説していきます。

『極意』『秘伝』書名からしていいですね。

はたして本書に、達人への道は示されているのか。

 おすすめ度

武道経験者 : 0/10点

武道未経験者:10/10点

コメント

評価が両極端になっていますね。
それでは理由を解説していきます。

著者の実力は?

経歴

・子供の時に少しだけ空手を習う。
・10代後半から約5年引きこもり、ゲーム廃人に。
・21歳で伝統派の糸東流道場へ入門。
・数か月で道場の指導に疑問を感じ、書籍、動画で達人の動きを研究。
・現在24歳、自身の流派【転真流】を創始する。

いかがでしょう?

武道の経験者から見ると。
「えっ、素人やん!こいつ何言うてんねん!」
というところでしょう。

武道未経験者の人は。
「おっ!オレにもできそう」
となるのでは。

本書は全編がこの感覚で進んでいきす。

【身体】

これは写真を見れば一目瞭然。
著者の身体は武道家・格闘家・スポーツマンのものではない。

その著者の鍛錬は本書の記載によれば、
稽古は毎日3時間から10時間。
時には1日10時間以上気絶しそうなほど汗をかき稽古をする。
とあります。
まるでプロのアスリートか高校球児かという感じです。
しかし写真で見る肉体はとてもそのような方の身体には見えません。

【実力】

「入門数か月で前拳で相手が2.3メートル吹っ飛んで試合が終わる。」

本書では、何度もこれに類似した記述が登場します。

全空連では前拳は上段のみ。なので顔面を殴って相手を数メートルぶっ飛ばしていることになります。
これは相当の実力差、体格差が必要です。しかも、やられた方は相当のダメージを負います。
少し考えられない、特に著者の肉体を見ると信じられません。

 【空手に対する理解度】

少し妙な見出しになりました。
当然、空手のことを考えて考えて試行錯誤した結果、自身の流派を創始して本も出している。
それなのに理解度とはどうゆうこと?
そうなんです、この人本当にどの程度空手のことを知っているの?
空手に馴染んでいるの?
と疑問に思う記述が多々あります。

例えば。

・伝統空手の突きは2拍子。腰を出してから突く。だから相手に分かってしまう。
・前蹴りの弱点が分かる。後ろ足を継ぎ足してから蹴る。先生の蹴りでも簡単によけられる。
・順突きは1で後ろ足を前に出し足を着いてから2で突く。なので絶対に相手に当たらない。
・自分の流派だけでなく他の流派もそう。
・試合でこの順突きを当てている人を見たことがない。
・空手もキックボクシングも反復練習とスパーリングだけだからダメ。
・現在の空手は2拍子で動いていて使えない。
・伝統派空手には構造的に無駄が入り込んでいてそれが人を弱くしている。

これだけ読むとすごい実力と知識経験の持ち主だと思いますよね。
でも経歴は上記の通り。
つまり空手の基本練習の動きだと試合に使えないということを入門数か月の初心者が力説しているということです。
経験者ならわかる通り、入門数か月で誰もが通る道です。
でも普通はそのまま稽古を続け上達していきます。
でもこの人は勝手に別のところ(空想の世界)に行ってしまってんですね。

他にもボクシングのチャンピオンクラスの人や柔道の全国レベルの人などに対して上から目線で自説を述べられています。

この人はすごい人なんだと思わせる効果を狙っているのか。
本当に信じているのか。

結論

達人を目指す人がこの本を読む価値はありません。
ヒントも何もない。
脳内達人を目指す人にはお勧めです。

お金を出して買うなら、本屋さんで立ち読みをしてからをお勧めします。